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離職率が高い事業所の特徴に、管理者が否定的な言葉を頻繁に使用するというのがあります。否定的な言葉は相手を傷つけます。だから、管理者がスタッフを否定すれば、スタッフは否定されないための行動をするようになります。その結果、スタッフが管理者の意図しない行動をとりがちになり、さらには退職者も増えてしまいます。しかし、管理者のコミュニケーションを変えるだけで、この悪循環を断ち切ることが出来るのです。

「人の感情は移る」これを心理学では情動感染と言われています。例えば、笑っている赤ちゃんをみたら周りは笑顔になり、逆にピリピリしている上司がいたら、それが部下にも感染し職場全体の空気が悪くなります。感情の伝染を引き起こしているのは、脳内のミラーニューロン神経細胞の一つで、他人の考えをより深く理解するため、模倣により他者から技術を習得するために備わっている力なのです。その中でもより伝わりやすいのは負の感情と言われています。ですから、ストレスが抱えることの多い管理者が、スタッフに対して否定的な言動を繰り返せば、鏡を見るように職場の雰囲気が悪くなっていくのです。この情動感染の仕組みを理解するだけで、管理者のコミュニケーションは変えざるを得ないと思うでしょう。

筆者がコンサルテーションでクライアントの運営するステーションに入室すると、最初に挨拶を交わすだけで管理者が否定的な言葉を使っているのかどうか察することができます。否定がないステーションは明るく挨拶があります。一方、否定が連鎖しているステーションでは緊張感でピリピリした様子が伝わってきます。否定の言葉を発しがちな管理者は、他者の否定をすることで自身は問題を解決したつもりになっています。しかし、実際は、そこで起きている問題には変化はなく、何の改善もされないどころか、否定的な言葉が状況を悪化させているだけなのです。

つい最近も、とあるステーション管理者が「あそこの事業所は、退院後の生活をまるで解っていない」「○○さんの看護観が理解できない」等と言い始めた途端、ステーションのチームワークが崩れ始めました。そして、この職場で働けないと言い出したスタッフが現れました。たった2~3週間という、ごく短期間での負の連鎖が、ここまで職場を劣化させるのです。

解決方法は管理者が否定的でなければ良いだけですが、それが習慣になっている人には非常に難しいようです。ですから、管理者は意識的に自分をコントロールするすべを身につけなければなりません。では、どうするのかというと、まずは、否定的な考えをできるだけしないための技術を知ることです。その上で、否定の言葉を使いそうになってしまった場合には、機械的に肯定的な言葉に変換するだけです。たった、それだけのことで組織は蘇るのです。

まずは、否定的な考え方を自分から追い出す4つの力を紹介します。

【自分への質問力】

管理者も人ですから、怒っている時も悲しい時もあります。しかし、その感情は部下に情動感染してしまうことを理解する必要があるのです。上司が怒っていたら、部下は困っていても相談ができないでしょうし、話しかけられないのです。部下はそんな職場で働きたいと思うでしょうか?一方で生き生きと楽しそうに働いている管理者には、どんなに忙しくても皆が力を合わせるでしょう。管理者の仕事は、スタッフが最大限の力を発揮するための環境作りです。そのためには自分の感情と向き合い、「自分はご機嫌でいるか」常に問いてみることが大切なのです。

【スタッフへの質問力】

人は何故感情的になるのでしょうか?相手がどう思っているかより「自分を理解して欲しい」が先行するからではないでしょか。また、相手の発した一言だけを切り取って理解し、本当の意味を解らずに否定をしていませんか?

筆者が行ってるコンサルでこんな質問がありました。「あのスタッフは自分が好きな利用者ばかり行って、大変な利用者にはいかないんです。理由を聞いても「怖くていけません」と言われてしまい、どうしたら良いのか・・」と話すのです。筆者が「スタッフは、その利用者の何が怖いのでしょうか?」と質問すると、管理者は答えられませんでした。怖い理由を聞いてみて欲しいと管理者にお願いすると、先行きが見えないことや緊急時の対応方法がわからないことに理由があり、管理者として準備不足があったことに気付いたと話していました。管理者はスタッフの「行きたくない」「怖い」の言葉だけで判断し、スタッフの意図を汲み取れず「できない人」とレッテルを貼っていたのです。この場面のように、スタッフ等との会話の中で、「あれ?何か違うな??」と思った時は、「何故ですか?」と背景が分かるまで相手に質問する習慣をつけましょう。

【情動感染から身を守る力】

  誰かが怒り出し、それが自分に伝播しそうになった時にはどうすべきでしょうか?回避したくなるのは身を守る行動として当然だと思います。しかし、これでは怒りの情動感染が起きてしまいます。管理者の役割は「怒りの感染を起こさせない」ですから、怒っている人の感情を押さえつけるのではなく、先ずは怒っている相手を思いやり、寄り添うところから始めると良いでしょう。

  そして、否定の発言をプラスに変換し伝えることができたなら、怒りの感情は遮断され、プラス思考の感染に置き換わると思います。否定の言葉をプラスに変換する方法については、次の項目のポジティブ変換という部分で詳しく説明しています。

【ホンネを伝えきる力】

筆者は怒っていないのに「怖い」と言われたり、注意したことが「否定された。私はできない・・」と思わせ退職してしまった・・など、私自身の熱い想いが伝わらずに悲惨な目にあった苦い経験が多々あります。管理者だからこそ必要不可欠な、ホンネを伝えきる力についてお伝えします。

  1. 見た目が9割

・相手の話を聞きたいという姿勢

 忙しいとついついパソコンをみながら会話していませんか?

 聞いている人は真剣に聞いているつもりでも、話している人はいい加減に対応されていると感じることが多いです。ステーションにとって大切な商品を提供するのがスタッフです。手をとめ、会話をする時間を作りましょう。もしできない時は、後で時間を作るので少し待ってほしいことを伝えると良いでしょう。

・話す時は声のトーンを上げゆっくりと、顔の表情や身振り手振りをいれるとよ

いでしょう。これを怠ると、深刻な気持ちで話ている人は、リアクションが小さいことで相手を怒らせたと過剰に心配することがよくあります。

・管理者は一挙一動見られているのです。清潔感や元気に見える化粧など、みなりも整えましょう。

  • ポジティブ変換

・良い所を言葉にして発信しましょう。特に褒める時は皆の前だと効果的です。

・注意する時の話の流れは、ポジティブ➡ネガティブ➡ポジティブという感じで、ポジティブな話で注意をサンドイッチしてあげることをおすすめします。いわゆるPNP方式と言われている方法です。これを積極的に使ってみましょう。

管理者からよく聞くのは「うちのスタッフには良いところがないんですがどうしたら良いですか?」「私は良くないことに良いという嘘を付けません」と言われますが、本当に良い所がないのでしょうか?そんなことはあり得ません。そう見えるのだとしたら、そういった管理者の否定的な言葉や物の見方が、組織全体を劣化させていると考えるべきです。看護師が故に、問題抽出型の思考が多いのかもしれませんが、良い点を見つける習慣が必要不可欠です。一人一人に対し、良い所が10個ぐらいはスラスラと言えるようにすべきです。

  • 管理者自身の弱みや感情を伝える

管理者だから弱音を吐けない・のではなく、管理者でも気が付かないところはあるため、チームで支え合おう!という意思表示が必要です。

「私の顔は怒っているように見えるけど実は怒ってないよの・・でも真剣に取り組んでいる時は怖い顔になっているみたいなので、怖い顔をしていたら教えてね」など、自分のホンネが誤解されないように、周りの人から自分がどのように見えているのか気を使って伝え方を工夫するのも良いでしょう。

 

 ついつい忙しいと、細かい言葉遣いまで気が回らず、否定的な言葉を使いがちになります。しかし、管理者は良い雰囲気作りをすることが大きな役割の一つなので、そういった否定的な言葉を使ってしまう習慣は意識的に断ち切らなければなりません。管理者がご機嫌で笑顔で居られればスタッフにも笑顔は感染するでしょう。スタッフが笑顔であれば、利用者にも笑顔感染するのです。情動感染をうまく利用してください。

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